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ひとりだけ○○で開発合宿に参加しました

こんにちは。

脆弱性診断の業務に携わっている、かをるです。

先の6月13日、14日に、人生で初めて開発合宿というものに参加してきました。
場所は兵庫県神戸市の有馬温泉。お天気にも恵まれた合宿スタートになりました。

 

有馬温泉1

有馬温泉1

 

ブログ本題の前に、私のことについて少々お話させていただきますと、情報系の学科の出身ですが、Webアプリケーションについては開発経験がほとんどないままこの業務につきました。
ですので、Webアプリケーションについては開発(つくる)より、壊す*1経験のほうが圧倒的に多いです。

このような私自身の背景から、普段なかなか手が回らない開発(つくる)への取り組みができたことはもちろんのこと、
事前の準備や勉強なども含めて、壊すときの知見にもなりました。非常によい経験になったと感じています。

前置きが長くなりましたが、今回は、いわゆる「参加レポート」とは少し異なった切り口から、
開発合宿についてブログを書きたいと思い画面に向かっています。

開発合宿の概要

今回の合同開発合宿の目的はいろいろありますが、ざっくり表現すると
「場所・環境を変えて集中しよう」「普段できないことをやろう」「他社さんとコラボしてブースト効果期待」という感じです。
会場到着後、会議室にこもってもくもくと手を動かし、ときには意見交換などを行いながら開発しました。

開発合宿の「開催報告」とは少し異なった切り口?

ずばり「性別」のことです。
なので、タイトルは” ひとりだけ「女性」で、開発合宿へ参加しました。です。

この切り口、このテーマで開発合宿について参加ブログを書きたいと考えた理由は、少々長くなりますが…

今回の開発合宿の応募や参加を通じて、直接的には技術力だったり開発力だったりも成長につながったと思いますが
私自身が、他のだれでもない私自身に対して、自分の性別についてバイアスをかけていたことに気づくきっかけになりました。
心理的なハードルを越え参加したという経験自体が、今後なにかに挑戦するときの勇気になってくれるのではと感じました。
そんな様々な面でプラスになった開発合宿の経験を、私の言葉で紹介したいと思ったからです。

開発合宿に応募するまで

SSTに入社以降、業務で性別を意識することは特にありませんでした。

エンジニア職の女性はおよそ2割ほどで、
東京の診断チームのエンジニアでは私1人が女性で、あとは全員男性(7対1)です。

人数や比率だけでみると、まだまだ男性社会ではありますが、
自分の性別が女性であることを理由に、業務上有利・不利に扱われたことはなく
良いところは良い、頑張らないとねってことは頑張ろうね、という状況です。
というわけで、別に自分の性別を意識することは特にありませんでした。

さて本題の開発合宿の応募までですが
開発合宿の社内募集の連絡があったとき、私は確かにメールやSlackを見て、そのような催しがあるという認識をしました。
……ですが、どうやら私の脳内では「私には無関係」とその場で思考停止したようなのです。
リーダーに開発合宿への関心を尋ねられたときも、特にありません。と答えて終わりました。

そんな社内募集の連絡から約1か月が経過し、5月の10連休も明け、社内応募締め切り前日のこと。
CTOと同僚とコーヒー片手に休憩をしているとき、開発合宿に応募した同僚の開発テーマについて聞いていました。

場の流れで、私にも開発合宿の話題が振られたため、
開発合宿とは全く関係ないけれど、個人的に考えていた既存のものとは別のアプローチの
脆弱性をわざと含んだアプリケーションのアイデアについてのメモを取り出して
2人に見せたところ…「開発合宿応募しないの?」

これに対する返答として、私の後ろ向きな発言が続き、最後に出たのは、私自身の性別を気にする発言でした。

もし女性一人だと、一人部屋の手配とか大変だろうし、割増の料金になるだろうし…。
というかそもそも、体力面や体調面で男性についていけずに、途中で私だけリタイアになったらどうしよう。
そう、私は「できない」「挑戦しない」理由として性別を気にしていたと気づいたのです。
開発合宿、泊りがけ、ハード、男性社会…。女性の自分が成果を出せるわけがない。
だから私の脳は、開発合宿について思考を停止してたということに気づきました。

先に記載の通り、性別を理由に業務に支障をきたしていると感じたこともない。
みんな「かをるさん」として接してくれている。
これは、私が私自身に向けたバイアスだったのです。

そしてCTOから一言
「参加ってなったら、きちんと配慮しますから安心して。」
「それに、かをるさんが応募することで、もしかしたら同様に感じている人の応募のハードル下げるかもよ」

考えていたテーマがあったのに、どうして出そうとすら思わなかったんだろう。
目の前が開けたような気がしました。
「もう少しアイデアがまとまったら応募します」と回答し、その場はお開きになりました。

開発合宿に参加して

その後、良い感じにアイデアがまとまったので開発合宿に応募、参加してよいということになりました。

蓋を開けたら(もはや案の定ではありましたが…)女性の参加1人だけだったので、一人部屋が厳しいのではと懸念してましたが(温泉地なので)準備していただけたようで、無事参加が確定しました。

ほかにもいくつか個人的に可能な範囲での要望を伝えたのですが(体力面で自信が無かった)、それらについては
「業務として行いますので定時以降はみんな自由行動です。夕飯だけみんなで食べます。それ以降は集まってやるもよし、部屋でもくもくもよし。」

ばっさり!おわり!

これは個人的にかなり心理的な負担が減りました。
(私だけ特別対応~とか、私のせいで全員の行動が巻き添えはつらいと思っていたので。)

当日の開発合宿本編も、よい意味でのいつも通りの雰囲気でとても楽しく開発に取り組めました。
予定以降は、お部屋にチェックインし、ひとりもくもく会。日中つまっていた部分をくみ上げました。

自分のお家でもない、オフィスでもない。街のカフェや貸会議室でもない。
温泉地のベッドにPC並べて書くのが、まさかこんなにはかどるとは思いませんでした。

 

お部屋でひとりもくもく会

お部屋でひとりもくもく会

 

…そういえば小さいころ、家族旅行などで温泉地や緑豊かな場所へ行くと必ず
「こういうところだと勉強がはかどりそうね」と親から言われていたのを思い出しました。
当時は「いやいや!そんなことないよ~」(そしてゲームをする)が定番の流れでしたが
結論: とてもはかどる

というわけで、「場所・環境を変えて集中しよう」、「普段できないことをやろう」。
偶然ではありますが、これらに関しては他のどのメンバーより達成できたのでは、という謎の達成感(?)があります。

成果物とまとめ

私が作成したやられサイト、いくつか決まっている用途があるのですが、それとは別に、開発合宿中に参加メンバーから「インターンシップで利用したいかも」と打診がありました。
私自身はインターンシップでの利用は全く考えてすらなかったのですが、よくよく考えると確かにターゲットゾーンとしてはよさそうです。
自分の作ったものが役立つ場面が増えるのはとてもうれしいので、引き続き作りこんでいくモチベーションにもつながりました。

そういえば、翌日まとめなどで話を聞く感じ、メンバーの一部は誰かのお部屋に集合してワイワイ作業してたようでした。
これはこれで合宿形式の醍醐味かな~~とも思うので、ちょっとうらやましかったりもしました。

本当の意味で性別や何かを意識せずに、それぞれがやりたいことができる状況については
文化がより成熟していくとか…、それこそエンジニアリングが進化して…VR合宿とか、でしょうか。
次回があるのかどうかとかはわかりませんが…そのときはなにか画期的なアイデアで参加を試みたいなと思います!

*1:比喩表現として。脆弱性診断の疑似攻撃では、診断対象の機能が壊れてしまうといった致命的な状態にならないように、最善の注意を払っています。

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この記事の筆者

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